感想『「言葉にできる」は武器になる。』

感想『「言葉にできる」は武器になる。』

『「言葉にできる」は武器になる。』

本屋で実用書を探していたら、シンプルにして魅力的なタイトルの本を見つけました。

 

「そんなことは分かっているけれど実際にそれができるなら苦労はしない」

そんな意見が多いとは思います。

昨今こういった本は多いと感じるのですが、

どれもいろんなテクニックを提示して問題解決を図る本がほとんど。

テクニックを意識しながら話すような話術がある人は元々会話に困らないだろう!

なんて思いませんか?笑

その点この本は違っていました。

「伝えるテクニックよりも前に、伝えたい事をきちんと自分の中で育てる必要がある」

と書かれております。

今回読んだ本は『「言葉にできる」は武器になる。/梅田悟司(日本経済新聞出版社)』です。

 

言葉にする上で必要不可欠なのは「内なる言葉」である。と説く本

 

さて、前述の通りこの本で主に語られているのは伝えるテクニックを磨く為のものではなく、

伝えたい事を自分の中で育てていく事の必要性です。

少し細かく説明すると、「自分の漠然とした伝えたいテーマを鮮明なものにする事」でしょうか。

著者さんはこう述べています。

 

言葉が意見を伝える道具であるならば、まず、意見を育てる必要がある。

 

当たり前なように思われますが、そのシンプルな結論こそが大切であると述べています。

 

人は、考えが浮かぶ時、言葉で疑問を持ち、言葉で考え、言葉で納得できる答えを導き出そうとしている。
こうしたあらゆる「考える」という行為において、発されることのない内なる言葉を用いている。

 

私はこの話を聞いて、美大出身のイラストレーターさんが言っていた事を思い出しました。

私は絵を描く技術を学びたくて美大に入ったんだけど、学んでいくうちに何を描きたいかを強く持つことが一番大切だと思った。」とのことです。

これって表現の仕方に違いがあるだけで、ほとんど同じ意味だと思うんですよね。

一見当たり前のことの様に感じられるのですが、そこをあえて意識している人は意外と少ないように思います。

本書ではそんな表現したいと思ったテーマを、具体的に細部まで自分の意識下にもっていく為の作業の仕方が書かれています。

 

読んだ感想〜ポジティブ〜

 

・テーマが決まったけど何から書いて良いか、どう伝えれば良いか分からない時に使える。考えを深めることができる。

これはどんなテーマでも良いです。本の中では仕事の文書作成、報連相、人生観、就職、恋愛についても有用であると言っています。

 

・口にする言葉を「外に向けた言葉」、思考する際に用いている言葉を「内なる言葉」と定義するなど、新しい認識をもたらされた

 

・人格や考えの浅深の評価は言葉で決まってしまう。という意見に共感

私は口下手なので人生損しているとしか思えないのです…

 

・真逆を思考するという点に置ける考え方が秀逸

本書においては「自分の常識は、先入観であると心得る」と述べられています。

その為、自分の考えの真逆を考える必要がある。

その「逆」にもいくつかの種類があって、列挙されているそれらをそれぞれ考えていく事によって、思考に広がりを持たせてられるようになっています。

 

・図がわかりやすい!

こういった人ってみんな図の使い方が上手なんですよね。参考にしたい。。

 

・言葉の引用が上手い

名言が沢山引用されています。それだけで興味深いし、説得力がある。

 

・複眼思考(他者の視点で考える)において、より具体的な人物を想定する事を重んじるという点はこの前読んだ77のテクニックと重なる

沢山の人に見てもらうことよりも、具体的に想定した一人に書く方が良いという考え方。77のテクニックについては過去記事読んでいただけると嬉しいです。

読んだ感想〜ネガティブ〜

 

・この本の手法は何かを伝えたいという目的意識が先行する為、ただ単に話す力が欲しいという方には少々ハードルが高い

もちろん自分をテーマとして手法を実践すれば多少の効果は得られると思います。ただ、読むだけでどうにかなるものではない。

 

・「外に向けた言葉」は「内なる言葉」から一方向的にもたらされるという考えには賛同しかねる

言葉が先行して、思考や想いが広がることは十分にあると思う。
言葉にできない漠然とした想いを明文化した本を読んだ時、内面の世界が広がる感じしませんか?
そこからどんどん思考が深まることも十分にあると思います。

さいごに

 

私はこの本を読んで、言葉を磨く為にできるアプローチの多さに驚きました。

普段言葉を磨く為の手法なんて、本を読むか文章を書くぐらいしか浮かびませんでしたし、その手法でしか教育された覚えがありません。

できる事が沢山あるんだという認識の広がりだけで、私はこの本を読んで良かったと思いました。

「テーマはあるんだけど具体的な内容に落とし込む作業が苦手。」という方にはぜひお勧めしたい一冊です。